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用語集

遺伝子定義(NRULE)
MiFuP Safetyで推定可能な微生物の有害性機能に関与する遺伝子についての定義。 これらは機構が独自に作成しており、それぞれの遺伝子定義に「"NRULE_"+4桁の番号」の形式でIDをつけている。 有害性機能に関与する遺伝子群について、それらのオーソログを検出するための条件(遺伝子検出条件)等を定義している。 遺伝子検出条件は、以下のいずれか、または組合せで設定している。
  1. BLAST検索のスコア値(Score)や同一性(Identities)の閾値
    閾値はオーソログの値を考慮して遺伝子毎に任意に設定している。
  2. ドメインやモチーフ
    InterPro Scan(タンパク質のファミリー・ドメイン・モチーフに関する統合データベース)の検索結果により、配列中のドメインやモチーフの存在を評価している。
なお、遺伝子検出条件を見いだせなかった遺伝子については、遺伝子定義は作成していない。
オーソログ もしくは オルソログ(orthologue,ortholog)[1]
異なる種の生物において相応の機能を果たし、構造の比較から相同で、進化上、祖先生物の一遺伝子に由来するとみられる遺伝子。
機能定義(NFUNC)
MiFuP Safetyで推定可能な微生物の有害性機能についての定義。 有害性機能に関与する遺伝子群について、機能を発揮するために必要な遺伝子の組合せ(遺伝子セット)等を定義している。 これらは機構独自で作成しており、それぞれの機能定義に「"NFUNC_"+4桁の番号」の形式でIDをつけている。
機能定義を作成するにあたり、文献等を調査し、機能を発揮するためのメカニズムが遺伝子レベルで解明されている場合に限り、 対象の各遺伝子について遺伝子定義(NRULE)を作成する。なお、機能の発揮に必要な遺伝子のうち、遺伝子定義が作成できないものがある場合は、機能定義を作成していない。
相同性検索(ホモロジー検索)[3]
未知の遺伝子と配列の類似した遺伝子を検索することにより、その未知の遺伝子の機能を推測する方法。プログラムとしてBLAST (Basic Local Alignment Search Tool)が知られている。
分子系統解析[3]
タンパク質のアミノ酸配列やDNA塩基配列を比較して、配列間の進化上の関係を解析すること。
モチーフ(motif)[1][2]
種々のタンパク質のアミノ酸配列中に存在する、3~10アミノ酸からなる保存された配列のこと。モチーフは共通の機能をもつタンパク質に共通して見いだされる場合が多く、機能の発現に寄与していると考えられている。
ドメイン(domain)[1][2]
種々のタンパク質のアミノ酸配列中に存在する、30アミノ酸以上からなる進化的によく保存された高次構造をとる配列単位のこと。相同ドメインは異なるタンパク質中に存在する場合でも類似した機能を持つことが多い。
CDS(coding sequence)
タンパク質のコード領域。
引用文献:
  1. 大島泰郎. (2007). 生化学辞典. 東京化学同人. 第4版.
  2. 小杉俊一,柳川弘志. (2010). 「タンパク質モチーフ活性の予測とシグナル伝達解析」『生化学』 82 (7): 641-645.
  3. T. A. Brown (著), 村松 正実 (翻訳). (2001). ゲノム-新しい生命情報システムへのアプローチ. ディカル・サイエンス・インターナショナル. 第1版第4刷.