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生物遺伝資源開発部門(NBDC)
ベトナムにおける微生物の共同探索について
                                                        
 独立行政法人製品評価技術基盤機構(本部:東京、理事長:御園生 誠、略称:NITE(ナイト))、アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:竹中 登一)及び中外製薬株式会社(本社:東京、社長:永山 治)は、ベトナムの微生物を現地において共同で探索、収集、分離し、それらの産業利用の可能性を探る初めての産官共同事業を平成17年11月から開始しています。NITEがベトナム政府との間で構築してきた枠組を利用することにより、企業自らがベトナムにおいてニーズに合った微生物を集められる環境が整うこととなります。

 共同事業の位置づけ
  この共同事業は、独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の「ゲノム情報に基づいた未知微生物遺伝資源ライブラリーの構築」プロジェクトの一環として実施されます。
 共同事業の目的
1. NITEがこれまでに実施したインドネシア等の東南アジアでの微生物探索によって数多くの新規な微生物が発見されたことを踏まえ、生物多様性の豊富なベトナムにおいてアステラス製薬と中外製薬の研究員が各企業の目的にあった方法で自ら微生物を収集、分離します。そして、各企業においてそれら微生物から創薬のためのリード化合物発見等を目指すというものです。
2. NITEでは、従来より、海外で収集した微生物を提供する事業を行ってきましたが、企業には、生物多様性条約(CBD)等の制約の一方で、東南アジア諸国などの生物多様性の豊富な国へアクセスして、これまでに発見されたことのない新しい微生物の探索を行いたいという要望がありました。今回はそれを実現するものです。
3. NITEは、ベトナム政府と微生物に代表される生物遺伝資源の保全と持続的利用に関する協定を結んでおり、平成16年度からベトナム国立大学ハノイ校と共同研究を実施しています。この事業には微生物資源保有国であるベトナム側への技術移転や同国の微生物学の発展に貢献するという側面もあります。
4. 今回の共同事業はNITEが構築した枠組みを利用することで、企業単独では負担が大きかった生物多様性条約に則った生物遺伝資源へのアクセスが容易になり、日本の政府機関のバックアップにより日本の企業が東南アジアの生物遺伝資源へアクセスし、企業ニーズに合った微生物を利用できるように産官が共同で海外の微生物探索を行う最初のケースとなります。
5. アステラス製薬は、天然物由来の醗酵研究を研究開発活動の柱の一つと位置付け、これまでにも免疫抑制剤「タクロリムス」や注射用抗真菌剤「ミカファンギン」などの優れた医薬品を創出してきました。当社は、今回の共同研究を通じ、当社の強みである天然物由来の新規化合物の探索研究・開発を更に推進していきます。
6. 中外製薬は、戦略的アライアンスを締結しているF.ホフマン・ラ・ロシュ社[本社:スイスバーゼル市/会長兼CEO:フランツB.フーマー]との契約により、世界有数の化合物ライブラリーを共有しています。加えて、今回の共同探索を通して海外の生物遺伝資源を天然物スクリーニングに利用できることは、リード化合物創出のチャンスを広げることになり、当社の革新的な医薬品の継続的な創出・提供を促進するものであると考えています。
 
 共同事業の概要
1. NITE、アステラス製薬及び中外製薬は11月から12月にかけてベトナムへ渡航し、主にベトナム中部地方を中心として微生物を分離するための試料の収集を行います。
2. ベトナム国立大学ハノイ校の施設で試料から各社の目的にあった微生物を分離します。分離した微生物は、ベトナムの合意の下日本へ移転されます。
3. その後、それらの微生物はアステラス製薬及び中外製薬両社へそれぞれ提供され、創薬のための有用物質の探索等が行われます。
4. 研究成果から特許登録や商品化に至った場合には、ベトナム側にも収益の一部が還元されます。

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