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ゲノム解析部門(NGAC)
ブレビバチルス属細菌(Brevibacillus brevis NBRC 100599 (= 47))
 ブレビバチルス属細菌Brevibacillus brevis NBRC 100599 (= 47) は、土壌から単離された好気性のグラム陽性内生胞子形成桿菌です[1]。本菌は、以前はバチルス ( Bacillus ) 属に分類されておりBacillus brevis 47 と呼ばれていました[2]B. brevis NBRC 100599の細胞壁は、ペプチドグリカン層の外側を二層の結晶性表層(S-layer)が覆う特徴的な三層構造を有しています[3]。本菌は大量のタンパク質を細胞外へ分泌することが知られていますが、主に分泌されるのはS-layerの主成分である二種類のタンパク質です。これらのタンパク質は生育と共に細胞表層から遊離し、細胞外タンパク質として培地中に蓄積します[3]。また、本菌は細胞外プロテアーゼ活性が非常に低いため、分泌されたタンパク質はほとんど分解を受けることがなく、容易に回収することが可能です[4]。これらの特長を活かし、本菌を宿主とした異種タンパク質の高効率生産が、原核生物だけでなく真核生物を由来としたタンパク質についてもこれまでに報告されています[4, 5, 6]

 NITEで行ったB. brevis NBRC 100599 (= 47)のゲノムの配列解析及び機能アノテーションの結果、1本の環状染色体(6,296,436 bp; G+C含量47.3%)の配列が明らかになり、5,949個のORFが予測されました。推定されたORFの約30%は、近縁のバチルス属細菌のゲノムとオーソロガスな関係にありました。また、バチルス属細菌のゲノムとの間でよいシンテニーが見られたのはOriC領域周辺のみでした。Bacillus subtilisと比較するとB. brevis NBRC 100599のゲノムには糖の代謝に関する遺伝子が少なく、L-arabinose, D-mannose, D-xyloseの資化性をもたないと考えられます。これはB. brevisの他の株で得られている結果[7]と一致していました。一方、B. brevis NBRC 100599のゲノムは他のバクテリアに比べて、シグマ因子、走化性レセプターなど環境応答系の遺伝子を多くもつことがわかり、本菌が様々な環境に適応できる可能性が示唆されました。

 本菌のゲノム情報が明らかとなったことにより、タンパク質の生産と分泌に関わる遺伝子の増強やタンパク質生産の妨害要因となる遺伝子の除去などが可能になり、タンパク質の生産に最適な宿主菌の構築につながるものと期待されます。


Brevibacillus brevis(横断面)
Brevibacillus brevis (横断面)


ゲノムサイズ: 6,296,436塩基対(約6.30M bp)
ORF(推定遺伝子領域) 5,949箇所
GC含量: 47.3%
データベース: DOGAN
NBRC*番号: 100599
代表共同研究先: 東京農業大学応用生物科学部醸造科学科
(*) 生物遺伝資源部門(NBRC)ホームページ: http://www.nbrc.nite.go.jp/


塩基配列決定時に使用したゲノムDNAクローンの分譲について
バイオテクノロジー本部(DOB)では、塩基配列決定時に使用したゲノムDNAクローンの分譲を生物遺伝資源部門(NBRC)において行っています。



References:

[1] Screening for Protein-producing Bacteria.
Udaka S. (1976)
Agric. Biol. Chem. 40:523-528.

[2] Proposal for two new genera, Brevibacillus gen. nov. and Aneurinibacillus gen. nov.
Shida O, Takagi H, Kadowaki K and Komagata K. (1997)
Int. J. Syst. Bacteriol. 46:939-46.

[3] Morphological alterations of cell wall concomitant with protein release in a protein-producing bacterium, Bacillus brevis 47.
Yamada H, Tsukagoshi N and Udaka S. (1981)
J. Bacteriol. 148:322-32.

[4] Use of Bacillus brevis for efficient synthesis and secretion of human epidermal growth factor.
Yamagata H, Nakahama K, Suzuki Y, Kakinuma A, Tsukagoshi N and Udaka S. (1988)
Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 86:3589-93.

[5] High-level expression of Bacillus thuringiensis phosphatidylinositol-specific phospholipase C by the Bacillus brevis host-vector system.
Kobayashi T, Tamura H, Taguchi R, Udaka S and Ikezawa H. (1996)
Jpn. J. Med. Sci. Biol. 49:103-12.

[6] Secretion of human interleukin-2 in biologically active form by Bacillus brevis directly into culture medium.
Takimura Y, Kato M, Ohta T, Yamagata H and Udaka S. (1997)
Biosci. Biotechnol. Biochem. 61:1858-61.

[7] Bacillus brevis Migula 1900 taxonomy: reassociation and base composition of DNA.
Nakamura LK. (1991)
Int. J. Syst. Bacteriol. 41:510-5.



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