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ゲノム解析部門(NGAC)
カルディリネア属細菌(Caldilinea aerophila STL-6-O1T (= NBRC 104270T))
微生物の概要

 Caldilinea aerophila STL-6-O1T (= NBRC 104270T)は、1999年に独立行政法人産業技術総合研究所の鎌形らによって、岐阜県の中尾温泉硫黄芝から分離された好熱性の通性嫌気性細菌で、55 ℃を至適生育温度とし、多細胞繊維状の形態を持っています。

 本菌の属するChloroflexi門は、系統的にProteabacteria門に匹敵するほどの多様性を持っていることが、近年の研究の進展によって明らかになってきています。そのChloroflexi門でゲノム解析された例は未だに少なく、中でも亜門1(chloroflexi subphylum I)においてゲノム解析が進行しているものは、NITEにて解析中のAnaerolinea thermophila UNI-1T (= NBRC 100420T)だけです。
 本菌株は、Chloroflexi亜門1のCaldilinea綱を代表する随一の分離株であり、このAnaerolinea thermophila UNI-1T (= NBRC 100420T)と並んで系統分類学上の重要な基準となる株です。

 Anaerolinea thermophilaと本菌は、ともにChloroflexi亜門1に属し、繊維状の形態を持つ点で共通していますが、生理学的な性質が異なっており、Anaerolinea thermophilaが絶対嫌気性であるのに対し、本菌は好気条件下では酸素呼吸で生育することができます。
 これら2菌の比較ゲノム解析を行うことによって、亜門1における酸素耐性など、重要な形質や遺伝学的性質の関連性を明らかにすることができます。
 また、硫黄芝というバイオマットの形成に深く関わっている細菌でもあり、バイオマット形成に関わる発現調節機構やコーラム・センシングのメカニズムを遺伝学的見地から解明できると期待されます。
 

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