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プシコース生産

概要

六炭糖およびケトースに分類される。フルクトースの3位のエピマーである。砂糖の7割程度の甘味がありながら、カロリーはほぼゼロ。 さらに、「食後の血糖値上昇を緩やかにする」、「内臓脂肪の蓄積を抑える(脂質合成酵素の活性を抑制)」、「動脈硬化になりにくい」、 「虫歯になりにくい」といった研究結果が報告されており、タイエット甘味料、健康食品として注目されている。
1991年に香川大学の何森健らによって、フルクトースをプシコースに変換する酵素、 D-tagatose 3-epimerase が発見された。これによってプシコース大量生産への道が拓かれた。

機能に関する知見

機能を示すメカニズム

工業的生産においては、でん粉をグルコースに分解し、グルコースを異性化してフルクトースにし、フルクトースを異性化して D-プシコースが生産される。 フルクトースを異性化する酵素、D-tagatose 3-epimerase はケトヘキソースの第3位炭素をエピマー化する活性を有している。D-tagatose に最も特異性のあるものを D-tagatose 3-epimerase(DTEase)、D-psicose に最も特異性のあるものを D-psicose 3-epimerase (DPEase) という。
実験情報のあるエントリーと相同性の高いエントリーで系統樹を作成した。 DTEase のエントリーグループと DPEase のエントリーグループで分けることができなかったので、双方のグループをまとめてNRULE_0230とした。
水色で示したエントリーが実験情報のある DTEase 若しくは DPEase
水色で示したエントリーが実験情報のある DTEase 若しくは DPEase 。黒い枠で示したエントリーが他の活性があるタンパク質。

機能を持つことが知られている生物

  • Pseudomonas cichorii ST-24 (DTEase, O50580)
  • Agrobacterium tumefaciens C58 (DPEase, A9CH28)
  • Rhodobacter sphaeroides (DTEase, C1KKR1)
  • Ruminococcus sp. strain 5_1_39B_FAA (DPEase, C6JHJ5)
  • Clostridium cellulolyticum H10 (DPEase, B8I944)
  • Clostridium scindens ATCC 35704 (DPEase, B0NGC5)
Comparison of biochemical properties and kinetic parameters of DTEase family enzymes.
Comparison of biochemical properties and kinetic parameters of DTEase family enzymes. --Zhang (2013). Table 1

実用化例

D-プシコース、D-アロースなどの希少糖を15%程度含むシロップ(液糖)が、商品化されている。 ブドウ糖、果糖、希少糖が、それぞれの長所を活かすように、バランスよく含まれた次世代の機能性甘味料であり、香川大学の元学長が代表を務める同大学発のベンチャー企業とその関連会社により製造販売がされている。 香川県内のホテルや人気洋菓子店などでは、このシロップを活用したケーキやドーナツなどが多数販売されている。
  • 希少糖含有シロップ(商品名:レアシュガースウィート 株式会社レアスウィート、松谷化学工業株式会社)

参考文献

  • Zhang, W. et al. (2013). Characterization of a novel metal-dependent D-psicose 3-epimerase from Clostridium scindens 35704. PLoS One. 8(4):e62987. PMID: 23646168

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(更新日 2014/03/12)